50代、保育園園長を辞めようと思った理由

当時、倍率125倍もの難関の公務員試験に合格して公立保育園に勤めたのが保育士としての始まりだった。

公立園では充実した毎日を過ごしていたが、転勤の多い夫と一緒になったため公務員を退職し専業主婦となった。周りの同期には辞めるなんてあり得ないと言われたが、保育士だからこそ自分の子育ては全スキルを投入して行いたい!と思っていたので後悔はなかった。

その間2人の子育てに没頭し、保育スキルを駆使して満足の行く子育てをやりきった。

2人目が働いていいよと言うまでは家にいようと思い、小学2年生からは毎年働いてもいい?と聞いていたが、毎年だめと言われていた。それが突然、小学5年生のもうすぐ11歳を迎える頃、まさかの子どもの方から働いていいよ、と言われた。

10歳を節目に子どもが成長する話はよく聞くが、なるほど、子どもなりに母のことを考えられる様になったということか。最近は2分の1成人式とは言わなくなったらしいが…

そして15年ぶりに保育業界へ復帰。

公立でパートから始めるつもりも空きがなく、それなら最悪?と言われる株式の企業型保育園に勤めてみようと思い立った。

そこは保育と呼ぶにはあまりにも拙い内容で、子どもを遊ばせることなく、ずっとおんぶしたまま作業する保育士。株式の悪口ばかり言う保育士。終いには私たち全員辞めるから辞めたほうがいいよ、とまで言われる始末。

見るに見かねて社長へ直談判。
公立のような保育がしたい!環境を整えたい!

いいよ、でもパートのままでは無理だから正社員になって、との社長の言葉で園長となった。

そして気がつけば採用から職員教育から行政対応までこなすようになっていた。

保育園がだんだん安定してくると企業型保育園の限界を感じるようになっていった。
園児がなかなか集まらず毎月赤字状態でいつ潰れてもおかしくない状況。
それでもここが潰れたら困ると言ってくれる保護者がいる。

時は待機児童が多く株式の保育園がどんどん作られている頃。
そうだ、今のうちに潰れないよう、まずは認証にしてしまおう!

そしてまたもや社長へ直談判。

今回もいいよ、と。

そして、あれよあれよと認証から認可にまですることができた。

ただ保育業界に興味のある会社ではなく、1園しか持っていなかったため、認可園の園長としてのスキルをもっと磨きたい、でもここでは無理だと思ってしまった。

そして次のステージへのチャレンジを決意した。

40代で大手株式に転職し、ここでは園長としてたくさんのことを学ばせてもらった。

採用や行政対応は本社が行うため前のような忙しさはなく、職員の育成と保護者対応に集中できた。
そして10年かけて環境を整え、自分がやりたいと思う保育を実現できた。

ただ自園が安定するに従い充実感はあったが、同時に感じていた“ある違和感”が頭の片隅に浮かぶようになってきていた。

時は不適切保育や保育士不足という言葉がニュースで飛び交う頃。

公立と違って常に配置基準ギリギリの現場は現場の保育士数だけでは到底回らない。

でも本社は数だけで見るため、なぜ回らないのか理解できない。

保育士不足→現場は逼迫する→保育士は余裕がない→不適切保育が起こりやすい

そして何かが起きると現場の職員と園長が責任を取らされて、配置基準を満たせなかった本社の責任は軽く記載される程度。

園長は孤独だ、とよく言われるが、私がこの会社で10年も園長をやれたのは本社側に同じ思いで現場を見てくれる人がいたからだ。

10年いろいろあったが一番耐え難いのは信頼できる本社の人がいなくなってっしまったことだ。

保育業界しか知らない自分は視野が狭くなっているのだろうか?

まだ自分が社会に貢献できる年月は10年近くある。

一度違う角度からこの業界を見てみるのも悪くないかもしれない。

動くならきっと最後のチャンスになるだろう。

この10年で保育業界でも大き変わってきていることがある。

保育のICT化だ。

専業主婦時代にPCを使って何かしらやっていたので、アプリを活用して保育業務の負担を減らすことにはいち早く取り組んでいた。

その甲斐あって業務は激減、休憩もしっかり取れるようになって会議をする余力もできた。

子どもたちもスマホに慣れている時代、小学生でプログラミングを習う時代。
そして情報が溢れている時代。

自分もITの世界をもっと知って、保育の世界を広げることはできないだろうか?そんな思いを抱き次なるステージへと向かってみようと思い立った。

退職を決めてから有給消化に入った。
ます初めにハローワークへ足を運んだ。
そこで2つのことを知った。
1つは2025年4月から法改正で失業給付の内容が変わること。
もう1つは職業訓練のこと。

自己都合で辞めた場合、2ヶ月間の待機期間の後、給付認定日が決まり、そこから約1ヶ月後に振り込まれるので3ヶ月はかかっていた。
それが4月からは待機期間が1ヶ月に短縮されたのだ!
最近キャリアアップのために転職する人が多いこと、終身雇用が破綻してきていることを考えると当然なのかもしれない。
自己都合退職に優しい内容に変わっているので、最新の情報が欲しい人は退職を考えた時点でハローワークに行って情報収集するのもありかもしれない。

職業訓練、聞いたことはあったけど
こんなにも充実しているとは思わなかった!
特にIT業界は人手不足と言われるだけあって、Web関連の訓練は多種多様だ!
どれにしたらいいのか分からず、たくさんの資料をいただいてきた。

6月開催の訓練に申し込む場合、4月上旬に情報が開示され、中旬には見学や申込みが始まる。
退職は5月末なのだが、こんなに早く動くには理由がある。
本来、5月末日退職なので早くても7月末にならないと失業給付はもらえないのだが、訓練に申し込むとなんと6月からもらえるのだ!

しかも給付期間よりも訓練期間の方が長い場合(例:給付期間120日、訓練期間180日)は訓練期間が終わるまで給付金額はそのまま、貰える期間が延長されるのだ!

これはおいしい!
ただ求職者支援制度ではなく離職者対象の職業訓練のみなのでご注意を!

退職後に心配なのは税金。
特に収入が多かった場合は思いの外かかることが多い。

住民税 → 前年度の収入に応じて決まるので要注意! → iDeCoで
所得税 → かからない
※国民健康保険料 → 退職後2年間は任意継続被保険者になれる。国保よりお得な場合が多い。
国民年金保険料 → 切り替えは必須。ねんきんねっとで手続き可能。
ただし※は扶養に入ると負担なし。(基本手当日額3,612円以上の場合は入れない)

iDeCoに加入している方は、きっと普段から投資にも興味を持っていることでしょう。
働き方が多種多様に存在する現代において個人年金で老後に備えることはもはや必須!

そして退職したらiDeCoはどうするべきか、
iDeCoは失業中でも積立可能。
収入が減ったため積立金額を最小の5,000円に下げて継続しようとも考えたが、

ちょっと待った!

前年度の収入が多いと住民税ってたくさんとられるはず…
ということは拠出金額が多いほうが節税メリットも高いということ!

とりあえず今年度は貯金を切り崩してこのまま積み立てるとしよう。

ちなみに積立金額の変更は取引先の金融機関から年1回だけ可能とのこと。
支払いが厳しくなったら考えよう。

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